糖尿病と鍼灸治療の関係について
八千代市セドナ整骨院・鍼灸院の大谷です。以前に糖尿病についてお話していますが、今回は少し難しいかもしれません。東洋医学の糖尿病について書かれている文献は非常に面白いです。中医学や東洋医学では「消渇証」に相当するとされています。上消・中消・下消にわかれていて、それぞれに応じた対策を行うことが大切だと考えられています
上消
上消とは肺の位置に属し症状としては、「口の渇き」「多尿・頻尿」です。肺には飲んだ水分を体全身に巡らせる働きがあると考えます。糖尿病になると肺の潤いが消耗されるため、水を飲みたくなります(多飲)。肺の全身に水分を巡らせる力が弱くなるため、飲んだ水はそのまま尿になります。そのため頻尿になります。
中消
中消とは脾胃の位置に属します。特徴的な症状は「消穀善餓」「痩せる」「便秘」です。「水穀の海」とも言わわれる脾胃腸は、食べたものを消化する場所になります。消渇によりこの部位に熱が生まれるといくら食べても空腹感を感じるようになります。これが「消穀善餓」という状態です。また胃に熱がこもっていると食べ物から作られる気の消耗も激しくなるため痩せてしまう傾向があり、熱により腸が水分不足になり便が硬くなり便秘になります。
下消
下消化とは腎の位置に属します。特徴的な症状は「頻尿」「ひざが抜ける」「耳なり・めまい」などです。腎が弱くなるために摂取した水分が体に再吸収されず体外に排出され頻尿になります。また、腎にはもともと「腎は骨を主る」「腎は腰を主る」という考え方があり腎の症状が出ます。
私たちは肺・脾胃・腎を強くすることが予防になるのではないか考えています。
余談ですがアメリカでは、糖尿病の合併症を減らすことに成功していますが、日本では逆に増えています。病院も薬より積極的に運動指導や食事指導、鍼灸治療を取り入れているところもあるようです。このことは、アメリカでは糖尿病の予防治療に成功しているのに、日本ということです。
糖尿病は網膜症や腎症などの合併症のほか、脳梗塞や心筋梗塞などの原因にもなるそうです。今回の調査で有病者のうち、約20%は治療を受けていなかったそうです。
国は有病者を約1000万人以上になると予測していて、1000万人以下に減らす目標を立てているようです。私たち鍼灸師が出来ることはないか常に考えなければなりませんね。